乳酸菌をいかすために~ポストバイオティクスの考えから

腸内フローラという言葉がよく聞かれるようになったとおり、ここ数年医学界では、腸内の状態に対して非常に興味深い研究・その成果が報告され、蓄積されつつあります。今日は診療の合間を使って、そんな分野のお勉強をさせていただきました。

乳酸菌が腸内の状態を良くすることによって胃腸のはたらきはもちろんのこと、免疫の面でもアレルギーの面でも、さらにはうつといった精神的な面でも良い変化がみられることが知られています。しかし、よく聞くお話しではありますが、乳酸菌は腸に届けられてはじめてその機能を発揮します。だからこそ乳酸菌が腸まで届くようにさまざまな工夫をしてきているわけですが、なにせ経口で摂取した乳酸菌は20%のケースでしか効果を示さないことも報告されています。

そこで次に考えるのが、口から乳酸菌を入れる 以上の効果を出す方法がないかどうか。

乳酸菌がどんな働きを期待されているかといえば、乳酸菌自体がヒトに必要な栄養素や酵素を産生し、腸内において腸からの異物の侵入を防ぐこと、そして乳酸菌が産生するバクテリオシンによって悪玉菌、ウイルスの増殖を阻止すること。これらの働きを担っているのは、ほとんどが乳酸菌が産生するタンパク質=バクテリオシン です。だから、乳酸菌を摂取するよりはバクテリオシンのかたちで摂取するのが有効ではないか、という考え方もできるわけです。



私自身、しばらくこのバクテリオシンに注目して自分のからだの変化を観察してみたいと思っています。どんな変化があるか、経過が楽しみです。

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