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COLUMN コラム

たまには現実逃避もあり

2025/12/09

今日の東京は雲一つない青空で、朝もお天気が良く、お昼を迎えて窓から外を見ても本当に雲がありません。こういう日は、現実逃避をしたくなりませんか? そう言いつつ、私は午前も午後も診察で忙しいんですけれども、お昼に空を眺めて、みなさんにこうやってお話しできる場はありがたいなぁ、と思っています。

■凪の時間を増やすイメージで

――11月9日は私の46歳の誕生日です。決意を聞いていただきたく、初めての誕生日投稿をさせてください。46歳の目標は、自分で納得する選択をして前に進むことです。昨年、25年ほど一緒にいる夫の不倫がわかり、もともと大好きだったこともあり、心身ともにどん底に落ちました。長女が大学受験のストレスなどで摂食障害を抱えていて、夫とは話し合いを避けてきました。しかし、私の態度が変わったことで、モラハラ気質の夫は逆ギレし、最近は無視されています。娘も感情が不安定で、私が感情の攻撃対象になり、私の持病である顔の神経痛も出てしまっています。自分でコントロールできないことは手放すと心に決めたものの、揺さぶられる毎日です。

46歳の今年こそ、凪のような心で安定と納得のある人生を歩みたいと思います。高尾先生が実践されている、凪の心を保つ方法を教えていただけますでしょうか。

〈高尾美穂からのリアルボイスへ寄せられたレターから〉

お誕生日おめでとうございます。そして、凪の心を保つ環境は大切です。

たとえば、私たちがひとりで修行のような生活をしているのであれば、自分の行動や言葉のひとつひとつをコントロールできるでしょう。でも、この方のようにパートナーがいたり、お子さんがいたり、しかもご本人もパートナーもお子さんもそれぞれに課題を抱え、その方々との間にも関係性の課題を抱えている中で、毎日が凪、という状態は正直なところ難しいと思います。

まず、イメージしていただきたいのは、凪の時間を増やすことですね。それが、今日のテーマでもある現実逃避です。

現実逃避とは、全部を見ないということではありません。そのことを考えない時間を自分なりに設定する、というものです。そうやって、凪の時間を少しずつ増やしていくと、ちょっとは楽に過ごせるんじゃないかな、と思っています。

■「成長じゃなくアップデートすれば」

――11月9日は54歳の誕生日です。まさか自分がこんな年になるなんて……。これまでの私は「成長しなきゃ」「成長しなきゃ」と思いながら生きてきましたが、思うように成長できていないという気持ちが常にどこかにありました。「もっとできたはず」「もっと頑張れたはず」という思いがつきまとい、自分にがっかりすることもあります。でも先日、金沢市で先生の講演を聞いて、成長じゃなくアップデートすればいいんだと、とらえ直そうと思いました。成長するのは少しハードルが高いけれど、アップデートなら日々の小さなことからできる気がしています。54歳の1年は自分自身の最適化が目標。自分が納得する自分でいられるようにアップデートしていきたいです。

〈高尾美穂からのリアルボイスへ寄せられたレターから〉

お誕生日おめでとうございます。成長じゃなくてアップデート。いいですよね。

自分自身が変わっていきたいという気持ちは、そう思っておられるのであれば、大事にしていただければと思います。「上を」「上を」とめざしていく気持ちは、苦しく感じるときもあると思うんです。

そんなときには、アップデート。脱皮です。ひと皮むける、ということです。それも考え方次第ですからね。ぜひ、ご自身で気がついたことをアップデートしていただけたら、と願っています。

(島根県松江市 宍道湖畔から)

■たまには、やらなきゃいけないことから離れる時間を

11月、私はあちらこちらにおじゃましています。茨城県日立市、長野県佐久市、栃木県那須塩原市、そして島根県松江市、秋田県秋田市、滋賀県草津市、愛知県の田原市……などなど。本当にいろいろなところに行かせていただき、たくさんの方と直接お会いできて、本当にありがたいです。

私にとって、講演させていただく場はまさに現実ですし、今日のように、イークで診療する日も超リアルライフなわけですが、診療の合間に青空を眺めながらのリアルボイス、なんとなく現実逃避している気分でもあります^_^

みなさんも、やらなきゃいけないことに向き合うときはしっかり集中して、でも、やらなきゃいけないことから現実逃避する時間も、たまには作ってみてくださいね。

※2025年11月14日配信「高尾美穂からのリアルボイス」を元に一部を再構成しました。

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