to TOP
資料
請求
お問い合わせ 資料請求 講演依頼

COLUMN コラム

自由時間の使いかたは自由ってこと

2025/08/01

■定年退職でのんびりしてみたけれど


――3月に定年退職しましたが、のんびりした生活を楽しんでいたのは最初の1カ月間ぐらいで、趣味は家事ボランティアだけの生活に物足りなさを感じ、結局先月から仕事探しをスタートしました。60歳を過ぎての就活は大変と聞いてはおりましたが、本当にシビアです。焦って就職しなくてもいいよと言ってくれる夫に感謝しつつ、私を必要としてくれるところがきっとあると信じて探していこうと思っています。〈高尾美穂からのリアルボイスへ寄せられたレターから〉

私たちは、自分で使い方を決められる時間が短いと、「私には自由が足りない」「やりたいことができない」と思うことがありますが、いざ、たっぷりと自由時間ができると、使いかたに迷うことがあります。こうした傾向が特に女性に多いことも、疫学的なデータに出ています。

なぜだろうかと考えてみると、たぶん女性の方が社会的な役割が多く、さらに仕事の役割もあって常に時間がないので、自分のやりたいことや行きたいところ、会いたい人といった自分の望みに気がつかないふりをして過ごしてくるんですね。そんな年月を積み重ねた頃に自由時間がたっぷりできても、「やりたいことがいろいろあったはずなのに、何をしたらいいかわからない」という気持ちになりやすいわけです。

でも、「何かしなきゃ」と焦る気持ちがある中で、いい形でお仕事に出合えたり、ボランティアやご家族のために貢献されたりと、ご自身が納得できる時間の使い方に移行していく方が多いのだろうと思います。

自分で使い方を決められる時間は「自由時間」ととらえていいと、私は思っています。私にとっての自由時間、本当の意味で何も予定が入っていない時間は、実際にはそれほど多くありませんが、自分がやりたい仕事をしているときや、講演したいから出かけることは、自由時間ではなくても、自分が納得できる時間の使いかたになっています。

「自由時間が多すぎると困ってしまう」「自分なりの時間の使いかたを思いつかない」「どのような時間の使いかたが自分のこれからにより良い影響を及ぼすか判断がつかない」といった場合には、たとえば、「高尾先生が言っていたから運動してみよう」とか、「リアルボイスを聞いてみよう」とか、何か一つか二つ、ご自身なりの時間の使いかたで良さそうに思えること/ものを決めてみてください。

とりあえず何かを始めてみると、本当に自由に使える時間がある程度絞られてきて、「それぐらいの時間だったら行きたいところがある」という新たな気づきが生まれるかもしれません。何のための時間にあてたいのかを、もう一度考えてみることもおすすめします。

■自分のことを後回しにする親友を見て


――私の大親友は、義理のお母さん、お母さん、そして最愛のワンちゃんも見送り、今は近くに住む娘さんとお孫さんのサポートに日々奮闘されています。優しい友達は、やってあげたい気持ちからついつい自分のことは後回し、我慢しがちのように感じます。でも、元気で歩けるうちにやってみたいことや行ってみたいところ、楽しいと自分自身が心から思える時間も大切にしてほしいな、と思います。〈高尾美穂からのリアルボイスへ寄せられたレターから〉

お友達は年齢を重ねつつ、お子さんやお孫さんのためにご自身の時間を使うという選択をしておられる方で、レターをくださった方はその様子を見ていて、他人のために時間を使っていると受け止めているようです。

もし、お友達ご自身が旅行に行きたいのにお孫さんのために行けないのであれば、時間の使い方をちょっと変えるという選択肢があってもいいですね。ただ、このお友達は、お孫さんのお守りがうれしくて、やりがい、生きがいを感じていらっしゃるのかもしれませんし、一方でレターをくださった方は、お友達と一緒に過ごす時間を持ちたいと思っていらっしゃるのかもしれないですね。

■ご自身が納得できるように
時間の使いかたは、人生そのものです。一日一日、大切な時間を積み重ねていく中で、みなさんがそれぞれ、ご自身なりに納得のいく時間の使いかたを選んでいただければ、と思います。

「アクティブ」とは、能動的、積極的に動く、という意味ですが、しっかり休むこともある意味アクティブです。たとえば、「今日はダラダラしよう」と思ったら、本気でダラダラしていいんですよ。「今日はちょっと元気だから運動しよう」と思ったら運動すればいいんです。

何かをやってみようと思いついたら、まずはできる方法を探してみて、簡単にできそうであれば、その場でやってしまう。それが一番シンプルで大切なアクションだと私は信じています。

自分のための時間といっても、自分の心が喜ぶためだけではなく、自分以外の人が喜ぶためかもしれないわけで、そんな時間があってもいいですし、そうじゃない時間があってもいい。自分自身が納得できるのであれば、そういう時間の使いかたが最高ですよね。

※2025年7月23日配信「高尾美穂からのリアルボイス」を元に一部を再構成しました。

資料請求 お問い合わせ