問診票から広がるめぐり

イーク表参道では保険診療の外来以外に、人間ドックや婦人科検診を行っております。

人間ドックの問診票に、『身体活動』『活動強度』など、普段どのくらい身体を動かしているかをお尋ねするコーナーがあります。1回の活動時間、週に何回くらい行うか、1年以上継続しているか、そんな質問が並んでいます。

私は婦人科検診を担当しますので、本来であれば 問診票のうちの最終月経や妊娠歴、手術歴、月経にまつわる不調の有無などに関するお答えを拝見すればそれでよいわけですが、目の前にすわっておられる方が普段、どんな運動をされているのか、そんな気持ちで常に拝見しています。

身体活動を『まったくしない』にチェックされるかたが半数くらい、『家事』『育児』『歩行』などご家庭でもとめられる活動を記入される方、『犬の散歩』『通勤の徒歩』『自転車で近所へ買いもの』など具体的に記入される方、のこりは『ランニング』『ゴルフ』『『水泳』『キックボクシング』『ヨガ』など、されているスポーツを記入くださる方。

『ヨガ』と書かれている方にはついついお声をかけてしまいます。
「ヨガされてるんですね。いいですね~。」

今日もおひとり、同じように声をかけさせていただいたところ、ドックにお越しいただいた方のお母さんもヨガされているとのこと。お母さんはご自身が30歳のころから現在70歳余までヨガを続けておられて、とってもお元気だそうです。素晴らしいですよね!

ヨガの歴史を遡ってみると、10年ほど前にアメリカからのヨガブームが日本へもやってきて、ヨガスタジオがたくさんつくられました。スポーツクラブでも気軽にヨガクラスを体験できるようになり、私もその走りのころにヨガを始めたひよっこです。
一時期はごくごく一部の過激な組織によってヨガや瞑想がかなり宗教っぽいものにとらえられ、私ヨガしてる、なんて気軽に口にできなかった時代もあったように思います。それ以前はヨガは一般的には認知されておらず、日本には数えるほどの(今では非常に著名な)指導者によって、pureで濃いヨガが脈々と受けつがれてきたのだと認識しています。

40年も前からヨガを続けてこられていること、一時は続けにくかったであろう時代も乗り越えて40年も同じことを続けてこられるということに心からの敬意を表したい気持ちでした。

問診票をチラ見して素通りすることはたやすいことですが、ひとつのお答えからこれだけのことに思いを馳せることができたことに感謝しています。

お母さまご本人さまともに、これからもヨガとともに健やかな人生を送られることを願っております。

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