淋しいような うれしいような

今朝、表参道に出勤したところ、Nsから 預かりものを受け取りました。
私は月曜日、表参道での外来をしておりません。昨日たまたま私に会いにイーク表参道へ来てくださった方が置いていかれたとのこと。

誰からだろうと思っていたら、お届けものにお手紙が入っていました。
慈恵医大時代に、婦人科がんの手術から術後をfollowさせていただいていた方の娘さんからでした。最後にお会いしてから2年になろうかという頃です。
実は私にとって親子2代にわたる患者さんで、お手紙を書いてくださった娘さんは ご主人とお嬢さんと一緒に慈恵の外来へお越しいただいていました。そして、月に1回腫瘍マーカーなどをチェックするため来院するお母さんに付き添って、娘さんはいつも一緒に外来へ来てくださっていました。とても懐かしいです。

がんで闘病されていた患者さん(お母さん)が今年のはじめにお亡くなりになったこと、娘さん自身も婦人科的なチェックをしなくてはと感じていること、私に会いに来たけれど会えなかったので、予約を取ってまた出直します。そんなお手紙を頂戴しました。

このお手紙を拝見して思い起こすことは、患者さんの背景を知ることの大切さ。
その方がどんなライフステージにいるのか、どんなご家庭なのか、どんな配偶者とどんな関係を築いている方なのか、お子さんは、親御さんは、どんなお仕事をされていてどんなことが得意なのか。
お手紙をくださった方のご家庭のことは、2年お会いしていなかった今でも鮮明に思い出せます。

ライフパートナードクターという言葉をほかの方がお使いになっているかどうかは存じませんが、私は出会った患者さんの人生の一部分を切り取った状態で関わるのではなく、いいときも調子よくないときも、新しいステージも、人生の終わりも新しい生命の誕生も、ともに喜びともに悲しみ、ともに悩みともに闘う。そんなライフパートナードクターでありたいと思っています。

悪性腫瘍、不妊、異常分娩、現在の私の環境ではまかないきれない分野はたくさんあります。それぞれは専門のDrにお任せをし、人生の大きな流れをサポートしていけるような、そんなイメージを抱いています。

闘病なさった患者さんに、心からお疲れさまでしたとお伝えしたいと同時に、私の所在を探し当て、訪ねてくださったこと、本当にうれしく、ありがたく思っております。
再びお会いできることを心から楽しみにしております。

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