自分に厳しいということ

先日、患者さんでもありお仕事を依頼してくださった方でもある、先輩のような同志のような方に言われたこと。「先生はめちゃめちゃ自分に厳しい」

Blogを読んでくださっていてそう思われたそうです。私?そう?そうかなー?みたいなお返事でその場は過ぎていきましたが、それからしばらくのあいだ 自分に厳しいということについて考えていました。
私が自分自身に課している「マイルール」は、確かに厳しいものなのかもしれません。

しかし、
 朝起きてヨガをする
から始まり、
 眠る時間は長かろうが短かろうが 有効に眠る
で終わる一日の「マイルール」の中で、「マイルール」があるから迷うことなく選択することができていることだってたくさんあります。

その時の気分次第で予定を変更する もしくは決めることはほとんどなく、その時の気分で決める予定は「その時の気分や疲れ具合で決める」と、あらかじめ決めています。だから仕事が終わってからだに聞いてみて、たとえばジムに行く行かないをその場で決めることがあったとしても、それはその場で決めよう と決めていた、というわけ。 行く と決めている日は必ず行くし、行かない と決めていた日は まず行かない。行くか行かないか、その時決めよう と決めていた日に限ってはその場で選択する、ということです。

企業との仕事や誰か知り合いとの約束に関しては、内容とスケジュールを検討し、直近になって決める ということはまずありません。決めたことはなるべく早めに伝える、さらに 行けないこと、お断りすることはもっと早めに伝える、これも「マイルール」。

シャンプーにはこだわらないから、普段通る道沿いにあるドラッグストアで買うけれど、歯間ブラシにはこだわりがあるから、自分で手に入らなければ友だちに頼んででもして 買ってきてもらう。クルマにはこだわりがないからなんとなくな雰囲気で選ぶけれど、靴にはこだわりがあるから真面目に迷う。トイレに入ったら、便座とまわりの床を拭く って決めているから、必ず掃除してから出る。ただそれだけ。「マイルール」なんてそんなもの。毎日の中でいちいち自分が迷うことがないよう、こだわるものはなんなのか、お金を使うべきところはどこなのか、時間を割くべきことはどんなことなのか、決められることは決めておけば結構 楽なもの。

でもそこで、私のスケジュールだったり「マイルール」を”壊す”ことがあるとすれば、私にとって大切な誰かとの関係性によるもの。遠くにいてなかなか会えない友だちが東京に来ていたら、急だったとしても会おうと努力するし、可愛がっている友だちの家のネコちゃんが具合悪かったら 予定変更してでも動物病院連れて行こうって思うし。

私の 自分に厳しい の中には当然のように ヨガ的思考も含まれていて、八支則の中のひとつめとふたつめ、ヤマ、二ヤマ つまり「しない方がいいこと」、「した方がいいこと」 に基づく厳しさも含まれています。

人を傷つけない
誠実にものごとに向かう
ものや時間、財産、知的財産を盗まない
自分のするべきことをする
必要以上に執着しない
心やからだ、言葉をきれいなものとする
足るを知る
日々鍛錬を積み重ねることによって強くなる
精神的な向上を目指す
さまざまなものに感謝の気持ちを持つ

ただこれらは、言ってしまえば幼稚園や小学校で学んだであろう 非常にベーシックな道徳 ともいえることがらばかり。でもこの10のことを世の中すべての人が守れているかと言えばそんなことはなく、もしみんなが守ることができたとしたらきっと、今よりも諍いや戦い、怒り悲しみ悩み妬み僻み誹りといった できることなら心に浮かべたくない感情を減らすことができるに違いありません。

そう考えたら、これらのことは全然「自分に厳しく」なんかない。そんな気がします。

それら以外に私が「自分に厳しい」としたら、それはきっと仕事の面かもしれません。ちがう と言いたいけれど、多分 完璧主義に近いのかも。みなさんに提供する講座に関しても、直前に手直しすることはいくらでもあります。文字通り、寝る間を惜しんで準備します。外来でも、話していて伝えたいことが患者さんに伝わっていない と感じたら、もう一度診察室にお呼びしてでもお話しします。あらためてよくよく考えてみたことはなかったけれど、この仕事に向かう姿勢はきっと、私のポリシーなんでしょう。
そこで、私のまわりにいる方たちにも同じような姿勢を求めるか、といったらそれは、そうであったら望ましい、そうであったらいいな、そんな努力目標 といったところでしょうか。もちろん”類友”という言葉があるくらいですから、私のまわりには 似たような方が多くいらっしゃることを感じています。もちろん似ていない方もいらっしゃいますが、それぞれがその人なりの努力をしているでしょうし、逆に他のことが私よりもたくさんたくさん秀でていることを知っていますから。

私なりのやり方を、私なりの自己満を積み重ねてきて今の「マイルール」やスタイルがあるのだと思っています。
「自分に厳しい」のかもしれないこの日々は、私にとって少なくとも不快なものではなく、むしろ迷う手間がなく居心地がよい とすら感じている、そんな私です。これからもどうぞよろしくおつき合いくださいませ!

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