若槻先生 女性ホルモン勉強会

土曜日の夜8時30分からというなかなかない時間に開催されたクローズドの勉強会に参加してきました。日本産科婦人科学会において低用量ピル・エストロゲン・プロゲスチン製剤(OC・LEP)やホルモン補充療法についてのガイドラインを作成した責任者である若槻明彦先生の講義はわかりやすく かつ常に新しい知見が盛り込まれているため、各種の学会等での講演には率先して聞かせていただいています。また、年に数回ある個人的な勉強会に参加させていただくようになってから数年。いつも最新のエビデンスあるお話しに、ありがたく勉強させていただいています。

平成25年12月にあったOC・LEP内服中の血栓症(動脈血栓症および静脈血栓症)の報道以来、OC・LEPの適正使用について学ぶことは非常に大切です。どんな人は血栓症のリスクが高いのか、どんなタイプのOC・LEPであれば血栓症のリスクが高くないのか、このあたりのすでにわかっていることの情報を整理して頭に入れておくことは、患者さんにOC・LEPについての説明をする際に、当然必要となってきます。

今回の講義のポイントは、WHOが出しているOC・LEPに関するガイドラインと日本産科婦人科学会がこのたびまとめたガイドラインの相違点やその解釈について。

たとえば
どんな人は何歳までOC・LEPの使用が認められているのか。何歳以上は禁忌なのか。
ガイドラインを作成した先生自身は閉経前後のOC・LEP使用中止をどう判断しているのか。
リスクがあるとされている頭痛については どんなケースがハイリスクと扱われるのか。
血栓症のリスクを下げるための選択肢にはどんなことがあるか。

などなど、一般の研究会や学会レベルでは質疑応答で同じ話題になったとしても、さくっと返事が返ってくることはないであろう話題ばかり。

私のように、婦人科医の中でもさらにスポーツドクターとして女性アスリートに対して積極的にOC・LEPの使用を勧める立場にいる者が、こういった 現場で起こりうる「ガイドラインの行間」とでも言いますか、あまりクリアに表現されていない部分について正しい解釈を知っておくことは、とても意義があることだと思っています。
若槻先生、今晩もありがとうございました!

関連記事