RYT200 の質を保つ

このたび、いくつかのヨガインストラクター養成講座の監修に携わらせていただくことになりました。自分でasanaのシークエンスを組むコースもありますが、指導用の教材を医学的に監修させていただくようなお仕事について。

こちらのBlogでも何度かご紹介をしていますが、ヨガのインストラクターになるための国家資格というものは日本において存在しておらず、インドなどを除いて民間の資格が使われている国がほとんどです。民間の資格の中でもっとも汎用性の高い資格が、現在のところ全米ヨガアライアンス認定の資格=RYT200など かなと思われます。

私がこれまで関わらせていただいたRYT200 取得可能なインストラクター養成講座は、私が見せていただいた限りにおいて医科学的な根拠・エビデンスに基づく記述がほとんどの、かなりしっかりとした内容でした。指導者も納得がいくような指導経験とヨガの練習経験を持つ方ばかりでした。

今回、いろいろな施設が開催している指導者養成講座のテキストやら指導要領やらを見せていただいて知ったことは、悪しき慣習や根拠のないイメージ先行の情報を広く伝えてきてしまっているだろう指導者養成講座が少なからずあるのだということ。指導者養成の講師=教える側 もなんとなく知り、なんとなく聞き、テキストに書いてあるから、という理由だけで、腑に落ちないまま生徒=ゆくゆくはヨガの先生になる人たち に伝えてきてしまったのでしょう。というより、実際そうしてきてしまった、という声を生で聞きました。
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ヨガインストラクター養成講座を開催する施設が全米ヨガアライアンス認定校となるためにはそれなりの基準があることも事実ですが、教えている内容は認定校によって差があることが否めません。しかもその差はかなり大きそう ってこと。これから先、日本において全米ヨガアライアンス認定資格に匹敵するような資格は近日中にはでてこないでしょうから、この資格の質をいかに保つか 均一にしていくかを考えることがヨガ業界全体として必要になってくるだろうと考えています。

「骨盤ってゆがむんだよね?ホントだよね?」

「骨盤は朝 開いて、夕方 閉じるんだよね?」

「季節によってもゆがみって変わるんだよね?」

「骨盤のゆがみを正せば生理不順がなおります よね?」

これらの話題に的確に答えられるような指導者の指導者を増やしていかないと、指導者の指導者に曖昧なまま教えられた指導者は、その生徒=一般のヨガ愛好家に曖昧な情報を伝えてしまいます。

そんな混沌としたこれまでの時間が、今現在のこの混沌としたヨガ業界における間違った情報、間違った見解の山をつくってきてしまったのだろうなと感じました。

ただしこれは、ヨガ業界のみに限ったことではありません。整体の世界でもよく耳にします。マッサージだってそう。元々がなんとなく な情報に都合のよいように解釈が加えられ、それが耳学問的に次の世代に伝わり、今に至る。指導者たるもの教えられたものをそのまま信じる のではなく、前向きに疑い、自分の目で確かめ、咀嚼し、腑に落ちた状態で次に伝えてほしいと思っています。

私にできることは、私が知っている正しいことをできるだけ指導者の指導者の層に伝えていくこと。長いあいだ信じてきてしまったことをくつがえすのはたいへんなことです。でも、源流を整えないとその裾野には多くの人=ヨガ愛好家のみなさんがいらっしゃるわけだから。目の前にあるできることから始めていこうと思います。

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