”種をまく”

私は”種をまく”という考え方が好きで、よくお話しの中でこの言葉を使います。

自分のために種をまく
自分のまわりの環境のために種をまく
日本のために種をまく
世界のために種をまく

すぐには芽が出ないことは百も承知で、それでもなにかのアクションを起こしてみること。それが私にとっての”種をまく”という意味。”アクションを起こす”を”お金を使う”に置きかえるとわかりやすいかもしれません。

たとえばクリニックのスタッフがちょっとお疲れに見えるとき、みんなのモチベーションを上げるためにポケットマネーでケーキを買いにいってもらうこと。使ったお金が直接私に戻ってくることはなかったとしても、みんなが笑顔で仕事できることは、まわりまわって私にプラスになる。

たとえば自腹でスピーチについて学ぶ講座に参加すること。ある日いきなり私のスピーチが格段に上手くなる、なんてことはないとしても、気がついたら小さな改善が見込めるかもしれない。これは近い未来の私にとってプラスになる。

たとえば震災の復興のために使っていただきたいと、毎年寄付をする。これは私にとって直接のメリットはほぼないわけですが、顔の見えないだれかのお役に立っている(はず)。これからの日本にとってプラスになることは、これからの私にとってプラスになる。

こんな考え方です。

”お金を使う”だけでなく、気になったことや人や組織に連絡をとってみることも”種をまく”こと。種をまいておいたものから芽が出てくる時期はそれぞれ異なります。また、アプローチした相手が違うとこれまた反応がまったく異なります。だからこそ面白い。
ドームとの出会いも、インターネットで見つけたドームのHPの中の「リクルート」というコーナーから連絡をしてみたところから始まりました。ドームの場合はそんな末端にアプローチしても、よいご縁につながりましたが、末端へのアプローチだけでは上手くいかないケースはたくさんあります。そんな場合は思い切ってそのトップに近いところへ再度アプローチしてみる。これで上手くいかなかったことはありません。

まいた種は、その土壌によって育ちがちがってきます。
道ばたにまいた種は、鳥が飛んできてついばんでしまうでしょう。
土の薄い岩地にまいた種はすぐに芽を出すでしょうが、いずれ根がないために枯れてしまうでしょう。
いばらの中にまいた種は、芽が出てもいばらがふさいでしまうでしょう。
良い地にまいた種は、30倍、60倍、100倍の実を結ぶでしょう。

”種をまく”ことを楽しむこと。そして結果を焦らないこと。社会のためになることであれば、いつかはこちらからのアプローチを必要とされるときが来ます。その日を楽しみに”種をまく”ことができる自分を保つ、保つだけでなく育てる、磨いていく。これからもそんな毎日をすごしていきたいです。

関連記事