「いくつも」か 「いくつか」か

イーク表参道には、子宮筋腫の経過観察目的に来院される患者さんも多くいらっしゃいます。一方、イーク表参道で診察を受けて、初めて子宮筋腫を指摘されたという方もいらっしゃいます。これまであまり婦人科の診察を受けていなかったという方では、複数個の筋腫の存在をお伝えすることになる方も少なくありません。

子宮筋腫は、大きさや症状の有無によって治療方法を決めていくことはもちろんですが、患者さんご自身が置かれている状況によっても選ぶ方法が変わってきます。年齢、結婚しているかどうか、これから子供をほしいと思っているかどうか、などが代表的な要因となります。

私自身、これまでに筋腫を指摘されたことがない方に複数個の筋腫の存在をお伝えするとき、選ぶ日本語があります。超音波検査をしながら、まずは口頭でお伝えするわけですが、
「いくつも子宮筋腫を認めます」 とお伝えするのと
「いくつか子宮筋腫を認めます」 とお伝えするのでは、受ける側の印象は大きく変わります。

image

「いくつも」 と言いたくなるケースとしては、5-6個の筋腫核によって子宮全体が大きくなっているような場合。でも、これまでに子宮筋腫があるよと言われたことがない方に、「いくつも」筋腫があるとお伝えすることは、結構なショックを与えてしまうことが少なくありません。
起こっている状態は同じだとしても、「いくつも」を、「いくつか」に置きかえるだけで、第一弾のショックを少しだけ小さくすることができるような気がするわけです。

やっぱり日本語っておもしろいですね。相手に対し言葉が持つイメージまでを想定したうえで、上手に選ぶこと、上手に使うことってできるよね。そんなことを考えながらの雨の土曜日です。

関連記事