思い出してもらえる人であること

今日外来に、懐かしい患者さんがおふたりいらっしゃいました。慈恵時代の方と、東京労災病院からの方。たまたまおふたり重なったわけですが、思い出してもらえるってありがたいことだなぁと。

どちらの方も、とても記憶にある方でした。

ご自身が子宮頚部細胞診で異常を指摘され、経過をみていく中で、女性にしか行っていないハイリスクHPVを予防するワクチンをパートナーにも受けさせたいとご相談くださったことをよく憶えています。男性にワクチンを受けていただくデメリットは、当時どれだけ考えてみても思いつかなかったのですが、ワクチン接種の対象になっていないという理由で大学病院からOKが出ず、おことわりした記憶があります。
この先世の中に出回る予定の9価のHPVワクチンは、男性も対象にしています。やっと時代が追いついてきたんだ、そう思います。

もうお一方は東京労災病院で担当していた女性外来で、未診断、未治療の状態で慢性関節リウマチと診断した方。関節が痛くても曲がらなくなってきてもずっとずっと我慢して生活してきて、なかなかどこにも相談できなかったそうです。その後整形外科の専門医の治療を始め、症状は著しく改善したもののいつまでもその治療を受けなくてはならないのか、という葛藤の中、標準治療ではない改善方法を求めて東京労災を離れた方です。
その後紆余曲折を経て今日、これからのご相談にいらっしゃいました。

本当にこまった時に、思い出してもらえる人であること。
検索かけて見つけ出し、時間を作って普段の行動範囲ではないところへ向かうって、モチベーションがないとなかなかできないこと。私のことを思い出してもらえてありがたいなぁなんて思っています。

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