運動習慣がある人の医療費

興味深い記事が読売新聞に掲載されました。大阪大学の田倉智之教授らの試算によると、『運動習慣のある人は、40~85歳にかかる医療費が1人当たり平均153万円少なくなる』とのこと。

この研究では、スポーツジムに平均週3回以上通う20~82歳の79人について
〈1〉肥満度や血圧、糖尿病の有病率などの健康データを収集
〈2〉過去の研究をもとに脳卒中や心筋梗塞などのリスクを計算
〈3〉40~85歳にかかる医療費を推計
この3段階で試算を行い、国民の平均と比べたもの。

たとえば
肥満の割合は 国民の平均は約20%だが、運動習慣のある人では14%
糖尿病の有病率 国民平均は14%だが、運動習慣のある人では7%

たいへん興味深い試算です。

平成22年度の国民医療費は37兆4000億円。大きな数字すぎてぴんと来ない方も多いと思いますが、65歳以上の医療費が全体の50%以上 約20兆円を占めています。つまり、高齢者がかなり多くの医療費を使っていることがわかります。

今回の大阪大における試算は40歳から85歳という年齢区分をしているため、40歳から64歳までのあまり多くの医療費を使っていない年代も含んでいます。このあたりがもしかすると統計マジックと呼ばれる上手い区分の仕方なのかもしれませんが、運動習慣がある人が一生のあいだに使う医療費が少ないことが証明されれば、国家的にも今まで以上に、運動習慣をつけるための方策を検討していくことになるかもしれませんね。

関連記事