スポーツ現場の心肺蘇生

今日はスポーツ救急医対象の救急蘇生(ALS、BLS)の講習を受けにきています。
心肺停止の現場に、医療者がたまたま立ち会っている場合はラッキーですが、そうではないことの方がずっと多いです。

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心肺停止状態の方に一般の方が心肺蘇生法を行った場合、なんと38%のケースで心肺停止状態から社会復帰まで可能だったというデータが報告されています。また、医療救護チームが組織されている競技スポーツのケースでは、例えば2012東京マラソンで心肺停止した7名の男性もすべて、医療救護チームによって蘇生され、社会復帰しています。
心肺蘇生は、スピードが予後を大きく左右するということでしょうね。
やはり医療関係者ではない一般の、より多くの方に心肺蘇生法に関する知識を得ていただき、かつそんな現場にたまたま遭遇してしまったらやってみる勇気を出していただくこと。これがスタートだと思います。
スポーツの現場でも、しばしばアスリートの突然死を知らせるニュースに出会います。近年のスポーツブーム、マラソンブームのおかげで多くの一般スポーツ愛好家の競技への参加が認められますが、高齢の参加者の心肺停止、そのまま蘇生できなかったケースも少なくありません。まず、クリニカルチェックをきちんと受け、カラダと相談し、決して無理をしないこと。尊い命を救う方法がご自身の近くにあることを、より多くの方に知っていただきたいです。
日本では、まだまだ救急蘇生法が知れ渡っているとは言えません。蘇生法もアップデートされていますので、新しくて正しい方法を知ること。そして一番大切なことは、遭遇してしまったら『我がこと』と考えて行動すること。どんなことでも同じではありますが、自分の親だったら、自分の子だったら、自分の大切な人だったら、そう思って臨むことだとあらためて感じました。

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