お誕生日を祝うこと

私の仕事では、患者さんの個人情報に触れる機会が多々あります。個人情報を医療上必要なもののみに使用することは当然の義務ですが、私に与えられている情報を、コミュニケーションのツールとして使うことはよくあります。

たとえば、なかなか読めなそうな、それでいて素敵なお名前の由来を尋ねる。
たとえば、珍しい苗字の方の出身地を聞く。
お誕生日がぞろ目の方 12月22日生まれの方に、2ばかりですね と伝える。
お誕生日が近い方にお祝いの言葉を伝える。
どれもこれも、しょうもない話題ではあるのですが、私がお会いする多くの方が初めてお会いする方です。緊張してクリニックにいらっしゃった方でも、こんなしょうもない会話から少しの笑顔を見られることがあるのです。

クリニックにお誕生日当日いらっしゃった方には、『今晩、なにかいいことありますか?』 と尋ねてみると、いろいろな反応をいただけます。結婚の有無は問診表よりある程度はわかりますが、彼やパートナーがいるかどうかはわかりませんので、この質問に対する反応から推測できます。
今日は、昨日がお誕生日という方がいらっしゃいました。20台前半の若い方でしたが、私からの 『昨日、なにかいいことありましたか?』 という問いかけに対し、ぱっと明るい表情になり、『はい、いいことありました!』とお答えくださいました。

こんななんでもない会話で、少しのリラックスだったり気持ちの切り替えだったりができたらいいなと。そんなこんなを思いながらの外来診療は、初めてお会いする方とのコミュニケーションのよいトレーニングになっています。日常の業務からいただくなにかのおかげで、ありがたく毎日を過ごさせていただいているなと感じる今日このごろです。

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