お金について考えること

友達と、お金についての話しをしていて思ったこと。
私は、お金は『めぐるもの』だと思っています。自分が使って、自分が受け取って、また使って、また受け取って。そのくり返し。基本的に使うことは惜しくないし、使わなければ自分のところへも戻ってこないとも思っています。また、お金はあくまで生きていくためのツールにすぎません。たくさんたくさん稼いで、たくさん貯金したからと言って、天国へお金をもっていくことはできないし、遺産として残したとしてもあくまで使うのは自分以外の人。必要なものを手に入れられて、食べたいものを食べられて、たまにリフレッシュするためのお金があればそれで十分です。
私はたいへんシンプルな生活をしているおかげで、一日に1円も使わず終わる日が多くあります。自転車で職場に行き、ランチには持って行ったお弁当を食べ、いただきもののおやつがあればつまみ、クリニックにはドリンクサーバーがあるので飲みものを買う必要もありません。仕事が終わればそのまま自転車でgymへ。gym代はもちろん引き落とされますが、gymでお金を使うこともなく過ごし帰宅、ちょっと仕事して就寝 のような。自転車移動だとコンビニに立ち寄ることも若干手間であるため、ほとんど使うことはありません。
お料理に使うお野菜たちは、クルマで出かけた日の帰り道にスーパーでまとめ買いします。一番効率的で無駄のない買い方だと思っています。また、大事な方たちと食事に行ったときには、私をふくめた皆が食べたいものをしっかりいただきます。そんなときに使うお金はまったく惜しくありません。
医者になりたての頃はまだバブル期と呼ばれるような時代だったこともあり、カルティエやオメガの腕時計をいただいたこともありました。また、お財布は長く使えるものをとの思いからルイヴィトンを使っており(ご覧になったことがある方はわかると思いますが、ルイヴィトンとは思えないシンプルなもの)10年以上前にフランスで購入してからずっと使用しています。ヌメ皮であるため、gymの帰り道、ウェアの汗を皮が吸い込んでしまったり水をこぼしたり、そんなこんなもいい味となっています。でも、ブランド品と呼ばれるものを自分で買ったのは多分それが最後。今ではすでに家にあるものは大事に使っていますが新しく買うことはありませんし、ほしいとも思わなくなってかなりたちます。
まだまだ若いけれどお金をたくさん稼ぎたくて、今の仕事のままじゃダメだと思っている方のお話しを聞きました。聞いていて思ったことは、お金を稼いでどうしたいのか ということ。今設立しかけている組織を大きくしたいのか、事業を拡げたいのか、社長と呼ばれたいのか、派手なクルマに乗りたいのか。今の世の中、『取締役社長』なんて肩書はあっという間にくっつけることができる時代です。そんな表面的なことよりも、稼いだお金で、自分がどう世の中の役にたてるのか、ということを考えてみたらいいのではないかと思います。
社会貢献、地域活性、言葉で言うことは非常にたやすいですし、耳ざわりもいいです。しかし、やっていることに心が伴っていなければあっという間にまがい物であることがわかってしまうでしょう。当然周囲からのサポートも得られなくなるでしょうし、事業自体のまわりも良くなくなるに違いありません。
目的をきちんと定められる人は、その目的に向かって着実に歩みを進めることができます。その途中で無駄に思える経験や時間もあるかもしれませんが、いつかそのときのことが生きる。それは間違いないと思っています。
ものやお金はあくまで生きていくためのツール。それに振り回されては本末転倒です。賢く選んで使いこなすこと。ひとつ気をつけないといけないことは、お金にはいろいろなパワーがあるということ。もちろん夢や理想を現実のものにする力もありますが、使い方によっては人生を大きく変えてしまうようなことすら可能だったりします。間違った使い方をしないように。そのために、なんのために使うのか、ということを常に意識しながらお金を使うこと。
そしてもうひとつ、ものに愛着をもって大事に使うことは大切ですが、ものやお金に執着しないこと。カタチあるものは必ずいつかはカタチを変えます。それはそれで受け入れて。また、お金お金と言って財布の紐をしめっぱなしの人のところにはお金は戻ってきません。紐がしめっぱなしなんだから、戻る入り口もないですよね。
もちろん親の介護のために、子供の進学のために、将来のために、老後のために、貯蓄は必要かもしれません。貯蓄したいのであれば堅実に使い、堅実に貯める。これまで関わってきてくれたまわりの人との関係を大事にしながら、自分のところへやってきてくれたお金やものに感謝して、それらが生きるように使いましょう。きちんとお金と向き合って生活していたら、きっとお金にも好かれますよね。
ちょっとの背伸びは必要です。でも逆に、背伸びはちょっとでいいんだと思っています。着実に人間性を高め実力をつけ、感謝の気持ちとともに自分のまわりの環境を整えていくこと。地道ではありますが、これが間違いのない道だと信じています。
これからも、私にいろいろな相談をしてくれる方々を応援していこうと思っています。

関連記事