【第6回 女性×スポーツケーススタディWS】開催しました

第6回となる女性×スポーツケーススタディWSを開催しました。毎回、規模が大きくなっているこのワークショップ、参加者の数が増えているだけでなく、内容もどんどんと成熟したものになっています。これもすべて、興味を持ってご参加くださるみなさんのおかげ。この場で繰り広げられる話題が、幅は広く、内容は深くなっていることを改めて感じ、回を重ねてきてよかったなぁと。


コンテンツを振り返ってみます。

【フィジカル】
・ 「ケガ」を乗り越える 〜前十字靭帯(ACL)損傷から学んだこと〜
バスケットボールをしていた高校時代に経験したACL損傷がきっかけで大学院でACLの基礎研究をし、手術・リハビリを経て現在もスポーツを楽しみながら臨床検査技師として活躍する女性によるプレゼンテーション。患者・研究者・臨床検査技師 それぞれの立場からACL損傷を見ての発言には重みがありました。
+ACL損傷後、再建術+リハビリテーション後 の再断裂 を経験したバスケットボール選手をサポートする整体師 からのコメントがありました。

・ パーソナルトレーナーによるランナーサポートの現状と今後
長距離を得意として陸上で活躍してきた男性が運動指導者になり、幅広くランナーをサポートする中で、今後女性に より信頼されるトレーナーになっていくための方法を検討しました。

【ニュートリション】
・ 管理栄養士による高校生チームへの栄養サポートの実際
高校のチームで、栄養指導を定期的に導入できている学校はたいへん恵まれた環境と言えますが、その一例について情報提供。栄養指導介入後は、女子高校生にありがちな痩せ願望よりも、しっかりとした良いからだづくりをしていく傾向が、データで示されました。また、栄養指導者がメンタルサポートをも担っている現状を把握。
+成長期のアスリートのからだの変化について、成長のピーク前後のお話しを私から補足

・ 公認スポーツ栄養士による トップアスリートの栄養とサプリメント
世界で戦う女性トップアスリートへどんな栄養指導をしているのか、栄養指導を通してどんなからだを目指しているのか、また3食にプラスする補食としてのサプリメントを実際にどのようなタイミングで摂取しているのか、女性ならではの体調の変化に対応させた指導内容とは、など現場の実情に即したお話しをしていただきました。

【メンタル】
・ 団体競技におけるメンタルトレーニング~メンタルトレーニングの成功例・失敗例から学ぶ
メンタルトレーナーが女子の団体競技チームをサポートするにあたって心がけていること、男子チームとの違い、個人サポートとの違いなど、これまでの取り組みに対するアスリートの反応や変化などについて、メンタルコーチからお話しいただきました。

【ソーシャル】
・ アスリートの成長を応援するサイト ~ クラウドファンディングによる ファンからアスリートへの直接支援
アスリートをサポートする方法のうち、インターネットサイトを用いたクラウドファンディングという取り組みについて学びました。アスリートの願いをかなえるためには資金が十分ではないケースがほとんどで、なんてことない共通点からアスリートを応援する一般ユーザーが多い現実を知りました。これからも、アスリートへきちんとした形でお金が届くような、社会における仕組みを整えていく必要があります。

・ ウェアラブルデバイスによるスポーツ中・ヨガ中の脳波測定結果
私自身が継続して取り組んでいる、ウェアラブルデバイスによるヨガ中の脳波測定についての中間報告を、共同研究者からプレゼンいたしました。大学などの研究機関でも、個人でも、ヨガの瞑想による効果を実感し、定量的なデータとして脳波で確認できる時代が近づいています。引き続き、より実用的なかたちで世の中に広く貢献できるよう取り組んでまいります。

【メディカル】
・ 妊娠期・産後期のトレーニングにおけるリスクとベネフィット
日本におけるトップアスリートのうち妊娠・出産を経験した方たちの実際を、文献的な考察を交えてお伝えしました。


女性スポーツを支えるみなさんと共につくり上げていくこのワークショップ、次回は3月12日に開催いたします。どうぞお楽しみになさってくださいね!ご参加くださいましたみなさま、これからも女性スポーツの環境をより良いものにしていくため、多職種で連携を持ち取り組んでまいりましょう。

関連記事