女性アスリートの婦人科的治療に関するセカンドオピニオン

ここのところ何件か続けて、女性アスリートの婦人科的治療に関するセカンドオピニオンをお受けしました。アスリートが婦人科にかかろうと考えたとき、相談する先が普通な感じの産婦人科か、スポーツドクターがいる産婦人科か、では安心感が違ってくることは確かでしょう。全国的なレベルで考えたら、選択の余地があまりない現状はまだまだ否めません。そんな中、イーク表参道をJISSのHPから自分で探し出して通っているリオのパラリンピアンもいらっしゃいますし、北陸から定期的に親子でお越しになるジュニアアスリートもいます。

ただ、アスリートにドクターとしてできることを考えたとき私が特別なことをできるわけでは決してなく、担当するドクターの裁量による部分は多少はあるものの、基本的にはガイドラインがちゃんと存在しており、日本産科婦人科学会としても方針を打ち出している治療方法がほとんどであるため、治療方針を迷うというか、ズレるというか、ぶれるというか、そんなことはあまりないだろうというのが本音。あとは結局のところ、コミュニケーション、相手にどれだけ伝えたいことを伝えられるか、治療へのモチベーションを持たせることができるか、それだけだと思っています。

今回いただいた紹介状は、女性アスリートのための外来としては全国的に名前の知られている施設からのもの。そして内容はアスリート本人の現状把握と認識の不足、つまりその治療を今 した方が良い理由が本人にはっきりと伝わっていないこと、でした。

多くのドクターもそうであるように、私がいくつかの選択肢からひとつの治療方法をすすめる場合、その人になぜその治療が今 必要なのかをお話しします。

特にアスリートが治療を選択する場合は、競技成績やパフォーマンスの向上という明確すぎるほど明確な目標があるわけで、そのゴールに向けてでき得る限りのことをすべてしよう という姿勢が多くのアスリートには感じられます。ですから、その気持ちを現実的なものとしてサポートする、それがスポーツドクターの役割であり、アスリートではない一般の方の治療よりも、方針決定や継続は容易かったりもするのが実際のところ。
そんな中でも方針決定や治療が上手くいかない場合は、アスリートとドクターのコミュニケーションが上手くいっていない、つまりドクターから伝えたいことがアスリートに響いていない、アスリートの希望がドクターに届いていない、多くはそこに原因があるのではないかと考えます。

アスリートのための外来という名前がついていたとしても、基本はなにも変わりません。困っていることは何かをきちんと把握し、アスリートがこうでありたい という希望を把握し、方法の選択肢を示したうえでどの方法が一番ふさわしいかをお示しする。それだけ。そうすれば、目的意識の高いアスリートは賢明な選択をするはずですから。
でもそれが時に、難しいことだったりもするんですよね。人 対 人だから。もし難しかったとしたら、イーク表参道へセカンドオピニオンにどうぞお越しくださいね。

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