女性ジュニアアスリート・指導者・保護者講習会@JISS

2016年度の女性アスリート育成・支援プロジェクトの第一弾となる講習会がJISSで開催されました。早4年目となるこのプロジェクト。元々は文部科学省委託事業であったものが、今ではスポーツ庁主導で続けられています。女性アスリートサポートの取り組みやアスリートのための外来は順天堂大学をはじめだんだんと増えてきていますが、JISSの特徴としては国際大会で活躍するトップアスリートを対象とした外来やサポート、その医科学的な取り組みを続けている というところが国内唯一であり、非常に貴重な場であるわけです。


今年度はジュニアアスリートを中学生、高校生の2部に分けて、アスリート本人、保護者、指導者対象の講習会を準備しております。内容は例年どおり栄養、心理、トレーニング、メディカルとして婦人科。今回はまず中学生アスリートの部でしたので、事前アンケートによると生理がまだ来ていないアスリートもいる、そんなみなさんに対してのお話し。

アスリートへのお話しは、中学生アスリートへの内容がもっとも難しい。なぜなら、生理というものへの受け止め方がばらつきの大きい年代だからです。すでに生理が順調に来ていて生理痛もひどい、そんな成人に似た状況の選手もいれば、体型を見れば一目瞭然なほど生理はまだ来ていません、と親が答える くらいあどけない選手もいるのが中学生アスリート。
もちろんどちらのケースもありえるわけですから、幅広いお話を準備する必要がありますし、興味を持っていただけなければ当然聞いてはもらえません。大人よりもずっと正直ですから。また、学校で生理に関する教育がどの程度なされているか については、地方と首都圏、公立と私立とくに宗教系の私立、などで分けると大きな差がありそうだというのが私の印象です。こう考えると、正直 中学生アスリート本人へのお話しというものが一番難しい。そう考えています。

実際、すべての講義が終わってアンケートを書いていただいている際、アンケートの項目を見ながらアスリートが他の参加者に
「ねえねえ、婦人科ってなに??」
と質問していたのを聞き、そこかー!と思ってしまったほど。

その代わり というわけではありませんが、保護者と指導者に対する講義ではいつもそれなりの反応を得られます。直後の質問タイムでも、会終了後の立ち話でも、終了後のアンケートでも、名刺交換をさせていただいた方からのメールでも、この分野のお話しは本当に必要なんだということを痛感します。

女性アスリート育成・支援プロジェクトでは、今年度は9月に高校生アスリート向けの講習会、年末に女性アスリートの指導者全体向けの講習会 を予定しています。これらの講習会の対象となるアスリート、指導者はごく一部と限られてしまうわけですが、それぞれ県の体育協会、各種競技団体の医科学委員から同様の内容がより多くのアスリート、指導者に広く伝わっていくことを目指しています。

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