変わる人と変わらない人の違いはどこにあるか

イーク表参道では人間ドックも担当しています。年に一度と決めてお越しになる方は多く、春のこの時期にも一年ぶりにドックのために来院される方がいらっしゃいます。 婦人科的なご相談に乗るのは当然のことですが、生活一般のお悩みに対してもアドバイスさせていただくことは少なくありません。

こんな方って素晴らしい!と思える方がおられたのでご紹介いたします。
ちょうど一年前の4月の人間ドック時に肥満、高血圧にかかる生活習慣の指導をした方。60歳を超えており、指導をしたとは言っても、たいていの場合はそのまま一年が経ってそのまま再来院される方がほとんどであるもの。
そんな中でこの方はなんと、11kgの減量に成功し血圧は正常値へ、それだけでなく血液検査でも中性脂肪や空腹時血糖値など まさに生活習慣病とまとめられてしまうような軒並みの異常値はすべて正常値に。

どんな努力をなさったのか、興味があったのでお聞きしてみました。

1 おやつをやめた
2 犬の散歩を1日1時間
3 たんぱく質多めの食事を心がけた

以上。

流行りのパーソナルジムに通ったわけでもなく、特別ななにかを取り入れたわけでもない。普段の生活を変えるだけで、60歳を過ぎていてもこんなにからだを変えられるのだということを、身をもって示してくださった方。素晴らしいの一言に尽きます。

変わる人と変わらない人の違いはどこにあるか。
変えられる人と変えられない人の違いはどこにあるか。

それは、なにかしらのアドバイスや刺激、経験を自分の肚まで落とせるかどうか。我が事としてとらえられるかどうか。なのではないかと思います。一年前の話しですから、お伝えした内容を私自身が覚えているわけではありません。しかし、その時にご本人が私から聞いた話しを 重みをもって受け止めてくださったからこそ、こうして一年経って、体重、血圧というすぐにわかる数字も変化をし、血液検査でしか見えてこないところまでもが変化したわけです。

ご本人にもお伝えをしました。素晴らしい努力、素晴らしい変化だ、と。そうしたらご本人はこうおっしゃいました。

これまでの自分の生活が恥ずかしかっただけなので。先生に気づかせてもらえてよかったです。

おやつを食べる、運動不足、体重が標準以上、ちょっとした高血圧、コレステロールが高い、そんなの本当に普通なこと、よくあること。でも、その状態を続けてきたこれまでの自分が恥ずかしかった と考えられる方だから、からだを変えることもできたのでしょうね。

人間ドックでは毎年の結果を経時的に眺めることができ、そこも毎年検査を受けるよいところかと思っています。この方のように、今まで毎年 真っ赤だった結果表が(異常高値を示す結果は赤字で記載されます)いきなり赤字ほぼなしの結果表になる、そんな方はそうそうおられませんが、人間ドックを”その前1年間の自分に対する通信簿” ととらえていただくのもありかもしれません。日々の生活における小さな選択という積み重ねは、こうして目に見えてあらわれてくるものだ、ということをお伝えできればと思います。

関連記事