シャラポワ選手のドーピング違反について

早朝に、ロシアのプロテニスプレーヤー マリア・シャラポワ選手が、2016年1月の全豪オープンで行われたドーピング検査において禁止薬物に陽性反応を示したというニュースが駆けめぐりました。

スポーツの世界におけるドーピング検査は、世界アンチ・ドーピングプログラムに則っています。WADA 世界アンチ・ドーピング機構より毎年1月1日発効の『世界アンチ・ドーピング規程 禁止表国際基準』が通達されます。日本ではJADA  日本アンチ・ドーピング機構がこの英文原本と和訳をホームページ上に掲載します。またよくありがちな前年との変更点をまとめたものも「主要な変更の要約と注釈」というかたちで掲載されており、ものすごく注意深く読まないと変更点を見逃してしまう というレベルではありません。


スクリーンショット (67)

私はインターネット上の情報からしかシャラポワ選手の件を把握できておりませんので、確かなことは言いかねます。しかし、上に示した2016年1月1日発効の『世界アンチ・ドーピング規程 禁止表国際基準』のうち「主要な変更の要約と注釈」には、2015年からの変更点として今回取りざたされている禁止物質が挙げられています。

しかもわざわざ「競技力向上目的で競技者によって使用された事実があるため(禁止物質に)追加された」と、注釈までついています。

世の中的には 本人の注意が足りなかった。きっと、そんなまとめになるのだろうと思います。事実としては、本人とまわりで支える人の注意が足りなかった。そんなところでしょう。しかし一番の問題は、シャラポワ選手の健康管理上、本当に使用しなければならない薬剤だったのか、そこにあると私は思っています。

今回のニュースは女子スポーツ界のスター選手でかつ、これからも期待される選手のドーピング違反であったために、多くの人が落胆し残念に感じたことでしょう。私もそのひとりです。注意不足はもちろん良くないことではありますが、それ以前のフェアなスポーツマンシップに関わる部分について、多くのアスリートを支える立場にいる者が襟を正さねばならないと思っています。

本当に残念に思います。

関連記事