【自然妊娠のためにできることWS】を開催して思うこと

【自然妊娠のためにできることWS】を開催しました。ご自身のこれからのため、奥さまのこれからのため、次の世代のみなさんのため、そんないろいろな立場でお聞きいただきました。



 

世界で類を見ない少子化が進行している日本において何が問題なのか、自分たちに何ができるのか、あらかじめ知っていたらどう変わるのか。以前にこちらのBlogでも掲載した「日本における不妊症の定義を変えた」ことで、どんな変化がもたらされるのか。「自分たちにできること」をせずして簡単に「私たちは不妊症」とする前に、「自分たちにできることはなんなのか」 を知っていただきたい。そんな強い危惧と願いを抱いて、このテーマに向かっています。

今日ご参加くださった方がFacebookにこう書いてくださいました。

——以下 引用————————————————————————-

本日は、高尾先生の「自然妊娠のためにできること」セミナーに参加してきました。今回も大変勉強になるセミナーでした。

過去3回、高尾先生のセミナーに参加して女性の体について学んできました。

いつも満員のセミナーでしたが、今回のセミナーは空いてました。

ここからも少子化の原因が見えてきますね。

———————————————————————————————



自分でワークショップなどを開催する場合、ひとりでもふたりでもお聞きになりたいと手を挙げてくださった方がおられたらどれだけ少ない人数でも開催します。当然です。しかし、やはりテーマによって多い少ないがあるのは現状で、正直、ラウンジのテーブルを移動しなくてもいい10数名という参加者数は今日が初めてでした。

今回のワークショップも、【自然妊娠のため】 という言葉よりも 【不妊症】、【妊活】、そんな言葉たちの方がきっとインパクトは強く、もっと人を集められたかもしれません。しかし、私は不妊を専門とする医者ではなく、どんどん進化し、ある意味エスカレートしていく不妊治療を冷静に眺めている産婦人科医です。不妊専門医の立場からではなく、その手前で産婦人科のジェネラリストとして日本の現状をどう考えるのか、みなさんにどう考えてほしいのか、そこを大事にしたいと思っているからこそ、本当に興味をお持ちの方たちと知識の共有をできたらと願って今日に臨みました。

今日お伝えしたお話しのうち、ひとつだけご紹介します。

妊孕性についての知識を得た上で母となった女性と知識を得ないまま母となった女性では、第一子を妊娠した年齢に 2.3歳のちがいがあります。つまり、妊孕性について学んだ女性は、学ばないまま過ごした女性よりも2.3歳早く母になっている という事実(第59回 日本生殖医学会)。きっと学んだ方がいい。これは間違いなく言えること。

これからの日本を考えたときに大切なのは『自然妊娠のために何ができるのか』 をより多くの方に知っていただくことだと思っています。ここに目を向けてくれる方を増やすこと。これからも前向きに取り組んでまいります。

関連記事