月経周期をアンタッチャブルゾーンにしている運動指導者のみなさんへ

先日、ドームでのミーティング中に強面の男性専門職スタッフから言われたこと。

「この文章、何回読んでも頭に入らない。何回読んでも眠くなる」

この文章 とは、
月経がはじまった日から、次の月経がはじまる前日までを月経周期と呼びます。一般的に生理周期は約4週間(28~30日)を1サイクルとしています。その中で女性の身体や心は、以下のように4つのリズムで変化していきます。 まず、月経期。ここでは排卵した卵子と精子が結合し受精卵となり、子宮内膜に着床すれば妊娠が成立します。妊娠しなかった場合、不要となった子宮内膜がはがれ落ち、血液といっしょに体外へ排出されます。これを月経と呼びます。そして、増殖期(卵胞期)。この時は卵胞刺激ホルモンの働きにより、卵巣にある原始卵胞のひとつが発育し始めます。卵胞が発育するにつれ卵胞ホルモンが分泌され、子宮内膜が少しずつ厚くなっていきます。次が排卵期。卵胞ホルモンの分泌がピークに達すると、黄体化ホルモンが分泌され、卵胞から卵子が飛び出します。これが排卵です。(ここまでwebから引用)

ここの部分の説明が、どうがんばっても頭に入ってこない、理解できない、そのうち理解しようとも思わなくなる、と。この方は映像のプロフェッショナルですから、月経周期について頭に入れる必要はそもそもないわけではあるわけですが、女性アスリート支援のコンテンツ制作のための資料を皆で確認していた際にこのような発言があったわけです。

それを聞いた私はイスからガタッと立ち上がり、じゃあこの説明で頭に入るか入らないか 聞いてみて! と。

これはその時描いたホワイトボードそのままです。ミーティングに出ていた女子も男子もみんな、なぜか写メしており、つられて私も撮ったもの。この説明に要する時間はものの5分。私が説明する月経周期のしくみについて、2回でもお聞きになったことがある方なら間違いなく、この図を私がどんな順番で描いていったかイメージできるはず。そしてご自身でもほどほどの説明ができるはず。

この図を使った私からの説明をさせていただいたあと、強面の彼に 頭入りました? とお聞きしたところ、素直にこくんとうなずいてくださいました。ミーティング後もデスクまでやってきて、ひとつふたつ質問をしてくれたほど。質問する ということは、ほどほど頭に入っていないかぎりできないことですから、ちょっとうれしかったです。

≪運動指導者・インストラクターのみなさまへ≫
女性のアスリート、女性のクライアントのからだを理解することは、間違いなく依頼者にとっても指導者にとってもプラスになります。特に月経周期の成り立ち、ホルモンの変化 についてアンタッチャブルゾーンにしてきた方にぜひ、私の解説をお聞きいただきたい。わかろう、わかりたい!そう思ってお越しいただく方であれば必ず身につきます。特に男性の指導者で、避けて避けて過ごしてこられた方、ぜひ!

これまでの講座がイントロダクションだったと思えるくらいの実践的な内容で、女性スポーツ医学について学ぶ講座を4月からスタートします。婦人科スポーツ医学を体系立てて学びたい運動指導者・医療関係者・スポーツ関係者 のための講座となります。これまでに私のお話しをお聞きくださった方にはもちろんのこと、初めてお聞きくださるかたにもぜひお伝えしたい内容です。

  第1回 女性における加齢とスポーツの関係
  第2回 女性ホルモンとスポーツの関係
  第3回 妊娠期におけるからだの変化とスポーツ
  第4回 産後期におけるからだの変化と望ましい取り組み
  第5回 運動指導者に知っていただきたい女性特有の疾患
  第6回 スポーツにおける自律神経の考え方・スポーツにおける補完代替医療について

詳細は後日ご紹介いたします。月1回金曜の夜に開催するかなり真剣な勉強会です。ご参加いただけるみんなでともに成長していきましょう。

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