北斗晶さんのBlogから

昨日の夕方、毎日北斗晶さんのBlogを読んでいるという友達から「北斗晶さんのBlog 見て」と彼女のオフィシャルブログのURLが届きました。多くの方がすでにご存じだと思いますが、彼女は夏の初めに乳がんであることを宣告され、本日乳房摘出術を受けておられるそうです。
公表されているBlogを拝見して、私なりに感じたことがあります。

【経過】
2014年の秋に、毎年受けているマンモグラフィーと乳腺超音波検査を受け、異常はなかった。
2015年 今年のあたまに胸にチクっとした痛みを感じた。
今年の春、サイパンへ旅行の折、水着に着替える際に乳頭が真ん中にないように感じ、かつ引きつってる様な感じを受けた
夏になり、右胸にチリチリする痛みを感じる気がしてかかりつけの医師に診察を受けたところ、7月に乳がんとの診断を受けた。
セカンドオピニオンの結果、乳腺の温存は難しく乳房全摘が必要、かつ腋窩リンパ節への転移が疑われるとの診断。異常に進行が早いタイプとのこと。

北斗晶さんは毎年婦人科検診、乳がん検診を受けてこられた、ある意味優等生。Blogでも読者に検診を受けるよう呼びかけてこられたそうです。検診を受けているから大丈夫、きっとそんな思いがあったからこそ年始、春に胸の異常を感じたとき病院にかからなかったのだろうと思われます。
私だったらどうしただろう、そう考えてみますと、きっと私も北斗晶さんと同じように考え、同じように行動したと思います。医者である私だって、検診で問題ないと言われてから3か月や4か月のころの違和感など、気のせいかな くらいに思うことでしょう。

検診を年に一度お受けください!
そうお話しし続けてきている医者の立場からすると、なんとも申し上げられないような今回の北斗晶さんの乳がん。一年に一度の検診を受けていたけれど早期発見もできなかったじゃない!そう思われた方もきっとおられることでしょう。
では、一年に一度の検診に意味はないのか、それはやはり違います。北斗さんはご自身のためのみならず愛するご主人、愛する息子さん方ご家族のためにもご自身の健康に留意されてきたからこそ、上記の経過にあるような胸の変化に気づかれたのだと私は思っています。

また、公人 北斗晶 のイメージを守りとおして、守り抜いて闘病に入られたこと、ご自身が命と向かい合わなければならないという状況のなかで、よくここまでの配慮を仕事関係者、契約企業などになさったものだと、あらためて北斗さんの人間性に惚れました。

最後に成人前の息子さんおふたりへの対応について。
私の母は私が10歳、兄が17歳のときに乳がんで手術を受けております。当時は温存の方法など医療技術も今ほど発達しておりませんでしたから 全摘、リンパ節郭清を受け、30年以上経った今なお元気に過ごさせていただいております。
しかし10歳=小学校4年生だった私には、家族親戚の中で私だけ、母が乳がんで手術を受けることも、ましてや入院をすることも知らされることなく、夏休みの「YMCA ロングキャンプ」という長期の課外活動に出かけたわけでした。夏休みのおわりに私が帰宅した時には母はちゃんとすでに家におり、しばらくしてからお風呂に一緒に入った際にその事実を知ることとなったわけです。
北斗さんの下の息子さんは当時の私よりも数年大きく、お兄ちゃんとの年の差も4年。彼らのちいさな胸で受け止めるには、当然大きすぎるショックだったとは思いますが、仲良しの佐々木家みんなでおかあさんを支えていこうという判断だったのでしょう。

その裏表のないお人がら、多くの人への心の底に愛のある対応、ほんとうに仲の良いご家庭、だれもが愛してやまない北斗晶さんの闘病を応援したいと思います。

検診はやはり大切である ということ
一年に一度の検診でも早期発見できないケースもある ということ
自分のからだに目を向けることがいかに大切か ということ
ご自身が置かれた立場をきちんと理解し、こんな状況におかれてもなお周囲に心を配ることができる方がいるのだ という事実

多くのことを感じさせていただいたBlogでした。北斗さんが願っておられるとおり、先のことにはなるでしょうが元気に闘病を終えられて、北斗さんだからこそ伝えられる方法で多くの女性に自分のからだに目を向ける大切さを、がんと共に生きる多くのがん患者、そのご家族に勇気を お伝えいただける日がくると私も信じています。

今日午前中の手術と聞いています。ご健闘を心からお祈りしております。

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