自分なりのデータを蓄積すること〜【女性×スポーツのためのケーススタディセミナー】

学会でも講義でも私が説得力を感じるプレゼンには、そう感じさせるいくつかの理由があります。そのうちのひとつが”自分なりのデータを持っていること”。

医者の世界のプレゼンはほとんどが自験例であり、その研究をなぜしようと思ったかという導入部分=イントロ部分に先人のデータなどが紹介される程度。これまでに知られているデータと同じような結果なのか、これまでのデータとは異なるデータなのか、そのあたりの判断が考察でなされることもあります。

大学病院や研究機関ではなくクリニック勤務となると、蓄積できるデータの種類はもちろん限られたものになりますし、お越しになるアスリート、患者さんに経済的なご負担をかけるわけにはいかないので診療に必要な範囲内で検査できるデータが対象になっていくことは確かです。それでも蓄積していくことには価値があります。

トレーニングやスポーツの世界でも 他を納得させるためのBEFORE AFTER というのは絶対に必要です。血液検査やレントゲン・MRIなど画像検査といった医療機関でしかできない検査以外にできる記録というものはたくさんあるわけで、身体計測だったり、コンディションの記録だったり、食事の記録だったり、写真での記録だったり。

そのトライアルが上手くいった場合はその後のプロモーションに用いる、といったごくごく表面的な使い方もできますが、 本来データを記録・蓄積することのメリットはそれだけではなく、上手くいかなかったケースでの振りかえりに使えることの方が大きいと考えています。

特に、私が接する妊婦さんのデータはたいへん貴重なもの。姿勢解析など、正しい方法で記録することはもちろんのこと、その被験者の背景をきちんと把握することも疫学的な考察につながります。

現在9月開催を予定している『女性×スポーツのためのケーススタディセミナー』では、スポーツの現場におけるデータを参加者みんなで眺め、ディスカッションしていきましょう。客観性の高いデータをもとに、再現性の高いプログラムを考えていけたらと思っています。

詳細は後日アップいたします。どうぞお楽しみに!

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