インプットとアウトプットを考える

よく耳にするインプット-アウトプットという言葉について、最近ちょこちょこ思うことがあります。

インプットとアウトプットのバランスはとても大切で、インプットが少ないのにアウトプットしようとすると内容の薄い、厚みの乏しいアウトプットになりがちですし、アウトプットする場を持たないのにインプットばかりに偏ると、せっかくのインプットから得た新鮮な発想や鮮明な記憶というものが失われがちです。タイミングのよいインプット、適度なアウトプットが理想的なのでしょう。

みなさんにとってインプットとはどんなことですか?アウトプットとはどんなことですか?

私が思うインプットは、自分の専門とする分野とはあまり関係のない分野において、ビジネスとはある意味一線を画して勉強、経験すること。これらの勉強や経験により、枠にとらわれない斬新な発想を得たりビジネスを彩る=デコレーションするためのインプット。そのようなイメージを持っています。

こうした意味のインプットを幅広くくり返すことで、自分自身のビジネスに他とはちがう独自性が出たり、幅や厚みが出たりと、ビジネスに付加価値を持たせることができる構造を自然と構築していってくれると思っています。

私が好んでしてきたインプットは、たとえば自分の専門分野とは関係のない本を読むこと、出会った言葉のために辞書を引くこと、映画を観に行くこと、デザインの優れたホームページを眺めること、コピーライターの書くコピーを眺めること、歌の歌詞をきちんと文字でとらえてみること、動物の骨格展示を見に行くこと、好きな話し方をする方のお話しをYouTubeで聞くこと、食指に触れた人に会いに行くこと、からだに関することでいえばアロマオイルの勉強をすること、東洋医学の鍼灸、ツボについて学ぶこと、スポーツ栄養の講義を聞くこと、スポーツ医学関連の勉強会に参加すること。

見えない部分、つまり私の幹を支える土壌となるべき部分への水であり肥料であり太陽であり風であるのがインプット。縁の下の力持ち というよりは、なくてもどうにかなるけれどあったほうがうれしい存在 とでも言いますか。



拙いイラストで申し訳ありません。 このようなイメージ。

ではアウトプットとは?

私にとってのアウトプットは、産婦人科医もしくはスポーツドクターとしての活動 がアウトプット。婦人科の外来をすること、手術をすること、女性のからだについて教えること、アスリートへアドバイスすること。つまり私の幹そのものから産み出されるproducts。木でいえば実にあたるものでしょう。私だから産み出せるもの、そう言い換えることもできるかもしれません。

たとえスポーツ栄養について聞きかじって知っているからと言ってスポーツ栄養について指導することはないし、アロマテラピーを自らすることもありません。

つまり、
インプットした内容=アウトプットする内容 ではない ということ。



ではここでもう一度お尋ねしてみたいと思います。みなさんにとってのアウトプットはどんなことですか?

私のセミナーを聞いてくださった方がするアウトプットの方法について、私の話しを肥料にフィットネスインストラクターの方はフィットネスインストラクターとして、ヨガインストラクターの方はヨガインストラクターとして、トレーナーの方はトレーナーとして、栄養士の方は栄養士として、鍼灸師の方は鍼灸師として、看護師の方は看護師として、助産師の方は助産師として、ドクターの方はドクターとして、お母さんとしてお聞きくださった方はお母さんとして、ご自身なりのアウトプットをなさってください。インプットしたことを活かし、それぞれの立場でそれぞれの職種で、それぞれのオリジナリティーを出していってください。私と同じことをしようとするのではなく、みなさんだからこそ産み出せるものを産み出してください。聞いたことを話す、見たものを伝える、これはアウトプットでもなんでもなく、知ったことの横流しにすぎません。この違いを一度お考えいただく機会としていただければありがたいです。

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