遺伝子検査結果から ~運動に関する項目について

イーク表参道で遺伝子検査を導入にするにあたって、私自身の遺伝子検査を行ってみました。楽しみにしていた結果がwebで届きましたので、感想を含めて共有させていただきます。今回行った検査方法は、唾液による大規模なゲノム解析によって約30万種類の遺伝子を測定するもの。健康リスク、体質、祖先解析などの項目に分かれており、それぞれの結果を確認しました。

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健康リスクの項目には、私が研究でずっと取り扱ってきた漿液性卵巣がんの項目もありました。幸いなことに私自身の結果は”リスクが高い項目”には含まれませんでした。遺伝子検査における漿液性卵巣がんのリスクが高ければ必ず卵巣がんになるわけではないし、逆にリスクが高くないからといって絶対に卵巣がんに罹らない、というわけではありませんが、これまでに私が出会った早期発見できず命を落とされた多くの方を思ったとき、どんな方法であれ早く知る、早く気づく、早く検査を受けるきっかけになる、そんな方法であればその検査が存在する意味はあるのではないかと思いました。

興味深いのは『体質・個性に関する結果』

とても興味があった『円形脱毛症』の項目は”リスクが高めのタイプ”でした。以前にもなったことがあり、気にして結果を見てみたら、なるほど、という結果でした。尚、リスクが高めのタイプは日本人の39.5%。

他に私が当てはまっていたタイプは
ウエスト/ヒップ比が食事量に起因して低めのタイプ
女性では食べ過ぎの傾向が低めのタイプ
95歳まで生きる可能性が一般的なタイプ
効率的に学習するタイプ
痛みの感じやすさが人並みなタイプ

などなど、ふむふむといった結果。

もっとも興味があった運動に関する項目について。

まず、『筋力』について。速筋線維と遅筋線維のどちらが多いか、短距離走者とマラソンランナーどちらのタイプであるかに関する項目と考えられます。私は日本人において18.6%しかいない”若干マラソンランナーに多く、短距離選手に少ないタイプ”でした。残りの80%は”短距離選手に多いタイプ”ですので、私はどちらかというと遅筋線維が多いタイプと考えられるようです。

また『運動の習慣』についての項目では、日本人において10.5%しかいない”定期的な運動をあまりしていないタイプ”との結果が出ました。日本では「健康日本21」において、「週2回以上、1回30分以上、1年以上継続して実施している者」を運動習慣者と定義しています。私はばりばりの”運動習慣者”ではありますが、遺伝子的には運動をしたがらない遺伝子を持っているようです。
すでによく知られていることではありますが、定期的な運動は生活習慣病の予防となるだけでなく、認知症や精神疾患の予防となります。超高齢社会である日本において、”運動習慣者”を増やすことは今後の命題です。日本人の90%は”一般的な運動習慣をもつタイプ”もしくは”定期的に運動しているタイプ”の遺伝子を持っているわけですから、がんばれば運動習慣をつけられるのではないか、そんな思いを抱きました。

遺伝子検査で得られる情報は、その他の医学的な検査項目や自分が生きてきて感じる自分の”タイプ”と合わせ判断すればよいものだと思っています。リスクが高い、と言われたら無駄に恐れるのではなく、健康診断でその項目を注意してみる、といった対処がbetterかと思います。これからイーク表参道では、遺伝子検査を希望される多くの方が、上手にその後の生活に役立てていけるよう準備していきます。

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