女性医師向けのワークライフ応援サイト「Joy.net」

女性医師向けのワークライフ応援サイト「Joy.net」の取材がありました。「Joy.net」はこれからオープンとなる新しいサイトであり、「女性医師がどうやったら長くがんばって医師という仕事を続けていけるか」そんな視点からの取材でした。

女性医師のキャリア情報から仕事術、家事や育児、保活(=保育園の活動?でしょうか)のノウハウ集、リフレッシュ情報など、女性医師のワークライフの充実に役立つ情報の提供を行うという目的のサイトとのこと。あらかじめ、こんな情報をいただいたわけですが、私がお役に立てる分野であるのか、少々疑問ではありました。なぜなら家事や育児、保育園など私にはあまり縁のないお話しでしたから。
しかし、『当直業務、手術+女性としての仕事の両立で多忙な 女性医師ならではの体の不調について女性医師から女性医師にアドバイスを行う』ための連載企画 での取材ということで、お声がかかったことになんとなく納得。

image

今回取材でメインになったお話しは、今の私が今の状態に至るまでのあいだに『失ったもの・あきらめたもの』と、『これだけは譲れなかったもの』。
 『これだけは譲れなかったもの』は簡単です。『産婦人科医として一人前であり続けること』。多くのメディアにお声をかけていただくようになって、またヨガの仕事、セミナーの開催など、医者としてではない仕事も増えている今だからこそ、もう一度自分の軸となる部分をきちんとお話ししておこうと思いました。

 ”医師免許を持つヨガインストラクター”ではなく、”ヨガインストラクターもやっている産婦人科医”という立ち位置。
自分が大学で関わってきた腫瘍(=がん)の分野については、子宮頸がんに関して二次検査までは精度高く行えるスキルを保つこと。女性スポーツの分野では、その分野を担うスポーツドクターが少ない分注力すること。学会や勉強会では今の自分の環境に活かせるような発表を聞き、知識・情報を最新のものに更新していくこと。イーク表参道でバリバリ外来を担当すること。このBlogを書いている今日も、午前午後で50名の診察をしています。
ちゃんとした産婦人科医であること。これが私にとっての『どうしても譲れないもの』。これまでもこれからも、必ず守っていく軸です。

以前もBlogに書いたことがありますが、大学にいた頃の私は外来やって検査して、手術やって当直・お産もやり、研究もして学会発表もちゃんとする。ついでに後輩の学会や論文の面倒まで。医者としての本分をきちんとした上で、それ以外のことは誰も文句を言わないような環境を整えました(整えたつもりです)。yogaのために医局の飲み会をパスする。もしくは飲み会に出席したい先生と当直の日程を交換して、私が飲み会の夜の当直を担当する。など。環境は自分でつくるものですから。
もちろん、若干当たりの強い先輩ドクターはいたような気がしますが、そこは私のキャラクターでしょうか、あまり気にしない。

これが私の”ライフワークバランス”です。

『失ったもの・あきらめたもの』
この質問もかなりリアルで赤裸々であり、やや驚いたわけですが、それほど多くのものを失ってきてはいない気がします。私が答えた回答以外に、立ち会ってくれた広報担当のスタッフが取材が終わってからこう言っていました。
「先生は日曜日のおやすみを失っています。でも、よろこんで失っているから、失っているっていう気がしないんでしょうね」

たしかに。私が自由にスケジュールを組める曜日は限られています。だからこそ日曜日は貴重な活動日となるわけですが、おやすみを失っている という感覚はこれまでまったくありませんでした。

これまでも多くの取材がありましたが、やはり同業の医者向けのサイトということで目新しい切り口を感じました。サイトがアップされましたらこちらのBlogでもご紹介したいと思っています。お楽しみに!

関連記事