トップアスリートへのマタニティヨガ指導

JISS 国立スポーツ科学センターで、妊娠中のトップアスリートにマタニティヨガの指導をはじめました。これは、平成26年度 女性アスリートの育成•支援プログラムの一環であり、ゆくゆくは妊娠期等のトレーニングサポートプログラムを作成する目的で行っています。

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マタニティ期のスポーツについて、2010年に日本臨床スポーツ医学会がから出された「妊婦スポーツの安全管理基準」をもとに、マタニティヨガやマタニティビクスなど、妊娠期をアクティブに過ごすための方法はさまざま提唱されており、興味のある方が実践する選択肢のひとつになっています。
妊娠経過は人それぞれであり、かつ妊娠週数によっても変化していくものですからこれが絶対、とは言えないところがあるのは事実です。臨床の現場では、『妊娠経過順調な安定期の妊婦』という表現がいかにあいまいなものであるかを感じることもあります。しかし、JISSがある程度のプログラムを示すことには大きな意義があるのではないかと考えています。
今回の検討では、妊娠中のトップアスリートに分娩監視装置をつけてもらったまま負荷をかけたトレーニングやヨガをおこない、CTG (cardiotocogram)で胎児の心拍数、胎動、おなかの張りにどのような変化がおこるか見ています。やはり、JISSやトレーニング体育館に出入りするトップレベルの選手クラスになるとおなかがしっかり出ている週数でも、世の中で行っている一般的なマタニティヨガの強度ではかなりの余力があるような状態でした。
もちろんマタニティヨガでは筋力をあげることを求めているわけではないので、ストレッチ感や呼吸法などヨガの良さを体感していただき、自宅でも続けていただけたらと思っています。
この貴重なデータは、JISSからなんらかのかたちで還元されることになります。よりわかりやすいまとめをお示しできるようにこれからも努力していきます。

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